これまでUber Eats配達パートナー向けのいくつかの記事で、効率的な配達ルートを決めるための考え方を検討してきました。
今回の記事では、これまで過去の記事でも検討してきた結果を踏まえて、配達ルートの選定のコツをまとめてみたいと思います。
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最善の配達ルートとは何か?
配達パートナーが目指すべき最善の配達ルートはどんなルートかというと、それは最短距離で配達できるルートではなく、最短時間で配達できるルートだとわたしは考えています。
2019年6月現在では、配達パートナーが追加で得られるインセンティブ報酬において、ブースト倍率が減る傾向にある一方で、クエストによる追加報酬の方が割合が増えつつあります。
そうすると、短い時間で配達を完了して配達件数を稼ぐことが重要になってきます。
これはUber Eatsの注文者にとっても嬉しいことのはずですが、料理が破損しては元も子もないので当然ながら安全運転をすることが大前提となります。
そのためには、ただがむしゃらに自転車を早く漕いだりバイクのスピードを上げるのではなくて、論理的に考えて効率のよいルートを選定することが大事になってくると思うのです。
最短時間で配達するためのルート選定の要素
スタート地点(配達元)からゴール地点(配達先)に最短時間で配達するためのルートを決めるとき、みなさんはどのように決めているでしょうか。
- Google Mapの自動車用の推奨ルート
- Google Mapの歩行者用の推奨ルート
- 自分で考えた効率的なルート
おそらく多くの配達パートナーは配達当初や不慣れなエリアでは、①や②のようにGoogle Mapの推奨ルートを参考にしながらそれに近いルートで配達していて、そのエリアの道にだんだん慣れてくると自分で考えた効率的なルートで配達していると思います。
その自分で考えたルートは、どういった基準で決めているかというと、かなりの部分を勘に頼っているのではないでしょうか。
勘は時に正しいこともありますが、その一方で勘に頼りすぎるとそれ以上の改善が見込めなくなることもありますので、ルート選定の基準を自分で考えてそのルートが最善かどうかを考え直してみるとよいと思います。
わたしは配達ルートを決めるときに以下のような要素をベースにして、実際にそのルートを走行して試行錯誤しています。
- 最短距離のルートになっているか
- 道路を曲がる回数が少ないルートになっているか
- 大通りや幹線道路に沿ったルートになっているか
- 右折よりも左折を優先するルートになっているか
- 信号が少ないルートになっているか
- 日中に配達するか夜間に配達するか
どの要素も絶対というわけでなく、配達する個人ごとの条件とこれらの要素のバランスによって最終的に最善のルートが決まってくると考えています。
個人ごとの条件として特に重要なものの例を挙げてみます。
- 自転車で配達するか原付やバイクで配達するか
- そのエリアの道路に詳しいかどうか
つまり配達ルートを決めるためには下の図のようなことを考慮する必要があります。


これらの事柄について、もう少し具体的に見ていきましょう。
ルート選定を単純化するためのモデルを考える
実際の配達ルートは複雑な要素がたくさんあるので、下図のような1km四方の4つのマスからなるシンプルなモデルをつかいましょう。
スタート地点からゴール地点まで、いかに早く配達するかということを考えていきます。


最短距離のルートになっているか
ルート選定のベースになるのは、最短距離のルートです。
下図の左側は最短の4kmであるのに対して、右側は6kmの走行距離になります。
右側のルートが100%ダメということではなく、まずは左側の最短距離ルートを最善ルートの候補にしようということです。
その理由は当然ですが、他のあらゆる条件が同じであれば、走行する距離が短い方が早くゴールに到達できるからです。


道路を曲がる回数が少ないルートになっているか
次に道路を曲がる回数について考えてみます。
左側も右側も走行距離はどちらも同じ4kmですが、曲がる回数がそれぞれ1回と3回で違います。
わたしは曲がる回数が少ない左側のルートを優先して採用します。
自転車でもバイクでも曲がるときは必ず減速するため、基本的にはタイムロスになるからです。


大通りや幹線道路に沿ったルートになっているか
走行する道路が幹線道路などの大きな道路であるかどうかについてです。
下の図の太い紫の線が幹線道路、それ以外の青い細い線が普通の道路であるとします。
それ以外の走行距離や曲がる回数は同じである場合、わたしは左側の幹線道路のルートを優先します。


ただし、これについてはメリット・デメリットがありますので状況に応じて柔軟に選択を変えていくところだと思います。
【幹線道路を走行するメリット】
- スピードを出しやすい(信号が整備されているため)
- ルートが単純なのでナビを見る回数が少なくなる(スピードを出し易く、かつ事故防止になる)
【幹線道路を走行するデメリット】
- 信号が多いので信号待ちする可能性が高い
わたしがひとつ重視しているのは、配達する時間帯です。
幹線道路というのは、信号が多いので赤信号に引っかかることによるタイムロスがネックになりますが、夜の時間帯は信号のアルゴリズムが変わるため、幹線道路沿いに走行すると赤信号によるタイムロスが減ります。
ですから、上の図でいうと日中は右側のルートを選定して、夜間は左側のルートを選定するということもあり得りだということです。
右折よりも左折を優先するルートになっているか
次は、右折と左折の関係についてです。
これは以前の記事で詳しく書いたので、詳細はそちらをご覧いただきたいのですが簡単にいうと右折するのはタイムロスにつながる可能性が高いので、できる限り左折する方がよいという考え方です。
そのため、下の図のように右折するルートと左折するルートがある場合、その他の条件が同じならばわたしは左折するルートを選択します。


信号が少ないルートになっているか
最後に信号が少ないルートになっているかをもってきましたが、かなり重要な要素といえます。
当然ながら、信号がなければ信号待ちによるタイムロスの可能性もゼロなので、信号がないルートを選定するのがよいと思います。
前の項と重複しますが、特に下図の右側のように信号機のあるところで右折をする場合、二段階右折が必要になるときは「信号待ちによるタイムロスが必ず発生」しますので、そういったルートはさけるべきです。


日中に配達するか夜間に配達するか
日中と夜間の違いは、上の項目でも触れましたが交通事情が変わってきますのでルート選定にも影響します。
例えば、配達元のレストラン周辺が日中は歩行者天国になっていることがあったり、上の項目で触れたように幹線道路の信号のアルゴリズムが日中と夜間で違うので、夜間の方が幹線道路を青信号で通過しやすいなどの違いがあります。
▼2段階右折と信号機のアルゴリズムについて興味がある方は、以下の記事もご覧ください。
自転車で配達するか原付やバイクで配達するか
わたしは自転車(電動アシスト付きママチャリ)での配達ですが、バイクとの決定的な違いはスピードと消耗する体力です。
それらの要素はルート選定にも考慮するべきで、例えば最短ルートだけど坂道が多いならば体力や電動アシストのバッテリーの消耗を避けるために、上記の要素に反したルートを選定することもあります。
また、バイクで配達するのであれば、ブースト倍率が高い時間帯の配達なら距離が多少長くてもスピードが出しやすいルートを優先することで配達距離による報酬を得るような戦略でもよいと思います。
※あくまで合理的なルートの範囲の話で、故意に遠回りするという意味ではないです
そのエリアの道路に詳しいかどうか
配達するエリアの道路に詳しいかどうかは、ルート選定に重要であることは言うまでもないですが、道に詳しくないのであれば、まずはGoogle Mapなどに頼って幹線道路を走行するべきだと考えます。
距離が短いかどうかよりも、幹線道路沿いを走することで、ナビをなるべく気にせずに迷わずに目的地に到達することを優先するのが、結果的に最も安全に最短時間で配達できるからです。
配達パートナーが交通事故に遭ったというツイートをたまに見かけて自動車のせいにしていますが、配達パートナーもナビを気にして注意力が散漫になっているケースも多々あるのではないかとわたしは想像しています。
ルート選定のお助けツール(自転車NAVITIME)
ルート選定の基準が明確になったら、実際によく配達するルートから見直しをしていくのが最も効果が高いです。
しかしながら、ゼロから自分で最善のルートを考えるのは少々しんどいので、ルート選定のお助けツールがあったほうが効率が良いと思いませんか。
そんなときのために、ルート選定のお助けツールとして使えるのが「自転車NAVITIME(ナビタイム)」です。
自転車の推奨ルートを教えてくれる、国内でおそらく唯一の自転車用のナビです。
高低差を考慮したルートなど、いくつかのルートパターンを提示してくれます。
▼以前の記事で紹介していますので興味のあるかたは以下の記事もご覧ください。
まとめ
今回は、最善の配達ルートを選定するときの要素について考えてみました。
以下は個人的な感想になってしまいますが、今回の記事の内容とともに配達パートナーのみなさんと共有したいので、まとめとさせていただきました。
わたしは配達するルートを自信を持って決めようになってから配達に余裕が出てきたことに気が付きました。
なぜなら、これが最善のルートであるという自信があれば、無意味にスピードを出したり危険な走行をする意味がないことがわかるからだと思います。
最終的に最も大事なことは、心に余裕をもって安全に配達することです。
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▼配達のコツはこちらのまとめ記事をご覧ください。